「覇王」を信奉する男

私、ただのゾンビ物として本シリーズを見始めたのですが、この「28年後」になってからは、特に本作では、「ゾンビ」臭は失われ、善と悪とは…という精神性が大きくなってきています。
本作は特に目をそむけたくなるような残虐シーンが多いのですが、そのことをさておいても、見るに値する作品であると思いました。
28年前、人間を狂暴化させるウイルスがロンドンで流出し、パンデミックが引き起こされました。
海を隔てた孤島でウイルスの蔓延を逃れた少年スパイクは、本土へ渡り、狂暴な感染者たちと戦いつつ内陸へ向かい、ドクター・ケルソン(レイフ・ファインズ)と出会います。
そこでの出来事が前作「28年後」で語られています。
本作はその直後からの続きで、スパイクがこの本土で生きることを選び一人旅たったところですが、さっそく感染者に襲われてしまうのです。
そこに救いの手が現れるのですが、ジミー・クリスタルという男が率いるカルト集団。
この男がとんでもなく狂暴な狂った男。
「覇王」を信奉しているのですが、それはつまり悪魔崇拝。
人が苦しみもがくのを至上の喜びとするという…。
いやいやいや…。
これは「感染者」よりもたちが悪い。
ジミーは信徒を数人引き連れているのですが、力による支配で、信徒同士を殺し合いさせて楽しんだりします。
スパイクは無理やり彼のもとで信徒にさせられてしまうのです。
スパイクがここを逃れたとしても周囲は狂暴な「感染者」の群れ。
ここにとどまったとしても無駄な殺戮を見続け、実行しなければならないし、自分の身の安全も確たるものではない…。
こんな恐怖に包まれた日々を繰り返したから、ジミーはこんな男になってしまったのか…。
まさに、ゾンビや感染者などよりもよほど人のほうが恐ろしい…。
さて一方医師ケルソンは、一人の巨大で狂暴な感染者と出会います。
ケルソンはこれが「感染症」であるならば、治療法があるのではないか?と考え、その研究を続けていたのです。
この狂暴な男、サムソンに治療を試みることにします。
はたしてサムソンは「人間性」を取り戻すことができるのか?
ケルソンが、ジミーに脅迫されて「覇王」を演じるシーンが何とも圧巻でした。
レイフ・ファインズのパンク・ロックがこんなところで見られるとは!
さて、感染者を治療するというケルソンのこの行動は未来への福音となるのや否や。
その答えはいよいよ次作にて、ということになるのでしょうね。
そして、次作のプロローグ的な位置づけとなると思われるのですが、ラストにキリアン・マーフィ演じる「ジム」が登場。
私はすっかり忘れていましたが、この人物は第一作「28日後」の主人公でした!
つまり、やっとつながった!
28年間、無事生き抜いていたんですね。
なにやら、楽しみになってきました。
「28年後」のその先。
もしかしたら光があるのかも。
本作の続きは劇場で見たい!
<amazon prime videoにて>
「28年後…白骨の神殿」
2026年/イギリス・アメリカ/109分
監督:ニア・ダコスタ
脚本:アレックス・ガーランド
出演:アルフィー・ウィリアムズ、ジャック・オコンネル、
レイフ・ファインズ、チ・ルイス=パリー、キリアン・マーフィ
残虐度★★★★★
精神性★★★★☆
満足度★★★★☆