2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧
開陽丸にいた、男装の通詞 アラミスと呼ばれた女 (講談社文庫)宇江佐 真理講談社 * * * * * * * * * * 安政三年、肥前長崎。 出島で働く父から英語や仏語を習う十歳のお柳。 「うち、お父ちゃんのように通詞になりたかとよ」。 女人禁制の職に憧れ…
信念を貫くことの重み * * * * * * * * * * 1912年ロンドン。 モード(キャリー・マリガン)は洗濯工場で働き、夫・息子と暮らしています。 ある日、女性参政権運動に参加している同僚に誘われるまま公聴会へ行き、 証言する機会を得ます。 「母も…
知られざる歴史と壮大な旅 * * * * * * * * * * 何やらもったいぶって分かりにくい題名なのですが、 最後まで見るとなるほど、大いに納得の題名なのでした。 後から気づいたのですが、私の好きなファティ・アキン監督じゃありませんか! やはりこ…
「王」を言い当てるジャンヌ レベレーション(啓示)(2) (モーニング KC)山岸 凉子講談社 * * * * * * * * * * 山岸凉子さんのジャンヌ・ダルクの物語、第2弾です。 前作ではいよいよ故郷の村を離れるジャンヌ、というところまででしたが、 本巻は、…
忌まわしい過去の事件の真相 * * * * * * * * * * 1985年、カンザスの田舎町。 母親と娘、二人の惨殺事件が起こりました。 生き残った8歳末娘リビーの証言により、 長男ベンが逮捕され終身刑となります。 事件から28年後。 世間から注目の的になり…
極めて一方的な理不尽な任務 * * * * * * * * * * 第二次大戦後のデンマーク、史実に基づく物語です。 実はこの日は他の映画を見る予定だったのですが、 ふいに予定が狂ってそちらには間に合わなくなってしまいました。 代わりに、こちらも見たい…
ひりひり感がつらい・・・ 邪悪(上) (講談社文庫)池田 真紀子講談社 邪悪(下) (講談社文庫)池田 真紀子講談社 * * * * * * * * * * ハリウッド大物の娘の死を警察は事故と判断しているが、 州検屍局長スカーペッタは疑念を抱く。 それはさながら誰…
何のひねりもないけど * * * * * * * * * * 日本では未公開、ということでWOWOW視聴です。 母の遺産の一軒家を相続し、故郷の田舎町に戻ってきたリリアン(ジュリア・スタイルズ)。 ところが間もなく、ブラックウェイ(レイ・リオッタ)という男…
それぞれの鮮烈な生き様 葵の月梶 よう子KADOKAWA/角川書店 * * * * * * * * * * 西丸書院番組頭を務める立原家の娘、志津乃は、 父と継母が進めようとしている新たな縁談に気を揉んでいた。 相手の高階信吾郎は、父と同じ西丸の書院番士であり、…
一人の少女か、80人の一般人か * * * * * * * * * * 戦地から遠く離れた会議室で、 ドローン映像により繰り広げられる「戦争」を描きます。 以前「ドローン・オブ・ウォー」という作品で、 少し前ならSFとしか思えないドローンによる空爆のストー…
反発し合う父と息子 * * * * * * * * * * 先に見て、私が大好きだった「ベル&セバスチャン」の続編です。 日本では公開はなかったのですね。 まあ、なくても良い続編を作って失敗する例は多くあります。 でも本作は本当に必要な続編なのです。 と…
火村英生シリーズファンなら、ぜひ 怪しい店 (角川文庫)有栖川 有栖KADOKAWA * * * * * * * * * * 推理作家・有栖川有栖は、盟友の犯罪学者・火村英生を、敬意を持ってこう呼ぶ。 「臨床犯罪学者」と。 骨董品店"骨董 あわしま"で、店主の左衛門が…
一夜が過ぎるたびに失われる記憶 * * * * * * * * * * 「私が眠りにつく前に」というイギリスのベストセラー小説の映画化です。 ある事故の後遺症のため、毎朝目覚めるたびに前日までの記憶を失ってしまうクリスティーン(ニコール・キッドマン)…
亡びゆくものへの愛 電球交換士の憂鬱 (文芸書)吉田 篤弘徳間書店 * * * * * * * * * * 世界でただひとり、彼にだけ与えられた肩書き「電球交換士」。 こと切れたランプを再生するのが彼の仕事だ。 人々の未来を明るく灯すはずなのに、 なぜか、や…
個性あふれるペットたちを楽しもう * * * * * * * * * * 飼い主が出かけた間にペットたちが巻き起こす大冒険&大騒動のアニメ。 時々はこんなふうに無邪気に楽しめるアニメもいいですね。 ニューヨーク。 テリアのミックス犬マックスは、飼い主の…
こころの問題は深くて謎でおもしろい こころの最終講義 (新潮文庫)河合 隼雄新潮社 * * * * * * * * * * 心理療法家・河合隼雄はロールシャッハ・テストや箱庭療法などを通じて、 人間のこころの理解について新たな方法を開拓した。 また、『日本…
10年以上を経てもなお、心にわだかまる大きなできごと * * * * * * * * * * カナダ、ケベック州モントリオール郊外。 作家トーマス(ジェームズ・フランコ)は、 恋人サラ(レイチェル・マクアダムス)と共に暮らしていますが、 関係がギクシャク…
お金と人情を秤にかけりゃ・・・ * * * * * * * * * * 体調不良で仕事を休職していたサンドラ(マリオン・コティヤール)が、 ようやく復職のめどが立ったところからストーリーは始まります。 ところが、会社は職員にボーナスを支給するために一人…
成長する船 双頭の船 (新潮文庫)池澤 夏樹新潮社 * * * * * * * * * * 巨大な波が押し流した町、空が落ちて壊れた土地 ―災厄に見舞われた沿岸へ、舳先と艫が同じ形をした小さなフェリーは、 中古自転車と希望を載せて進む。 失恋したての青年、熊…
なんでわざわざリメイク? * * * * * * * * * * アルゼンチン映画「瞳の奥の秘密」のリメイクです。 「瞳の奥の秘密」は、驚きのラストでかなりやられました! その記憶があるので、あえて本作を、わざわざ劇場で見るまでもないかと思っていたので…
老境に入りながらも新しい人生を目指す ハッカの薫る丘で (中公文庫)森 久美子中央公論新社 * * * * * * * * * * 中村美紀子は北海道で農家の嫁として働いている。 ある日、卒業以来五十年ぶりに開催される中学の同窓会の案内が届く。 一九六四年…
女の物語? * * * * * * * * * * 世界最大手の検索エンジンで知られるブルーブック社のプログラマー、ケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、 社長ネイサンの所有する山間の別荘に宿泊するチャンスを得ました。 ヘリコプターでなければ行けないよう…
複雑な思いに掻き立てられる * * * * * * * * * * タリバンの圧政下アフガニスタン。 デンマーク軍が平和維持活動に派遣されていました。 クラウスは母国デンマークに妻子を残し、デンマーク軍の隊長として任務にあたっています。 冒頭で、あたり…
ジュースにはご用心 * * * * * * * * * * ドキュメンタリー映画は久しぶりかもしれませんが、 やはり気になるこの話題・・・、ということで。 オーストラリアのデイモン・ガモー氏が自らを実験台として、 砂糖を食べ続けるとどうなるのか、それを…
確かに生きていた実感 阿蘭陀西鶴 (講談社文庫)朝井 まかて講談社 * * * * * * * * * * 江戸前期を代表する作家・井原西鶴。 彼の娘おあいは、盲目の身ながら、亡き母に代わり料理も裁縫もこなす。 一方、西鶴は、手前勝手でええ格好しぃで自慢た…
長瀬智也さんの貫禄が光る * * * * * * * * * * 冒頭のバス転落事故シーンのために公開延期となったというのも、 まだ記憶に新しい作品です。 平凡な男子高校生大助(神木隆之介)は、 修学旅行中のバス転落事故で死亡し、地獄へやって来ます。 ま…
気色悪いものを見てしまった・・・ * * * * * * * * * * 強盗を企てた若者3人が、盲目の老人の家へ押し入るというお話。 盲目のか弱き美女の家へ強盗が押し入る、という映画はありましたよねえ・・・。 かのオードリー・ヘップバーン主演。 ところ…
生み出し、育み、強くし、支配する 女性 夜の写本師 (創元推理文庫)乾石 智子東京創元社 * * * * * * * * * * 右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠。 三つの品をもって生まれてきたカリュドウ。 女を殺しては魔法の力を奪う呪われた大魔道師…
実は繊細で優しくて、シャイ * * * * * * * * * * 此元和津也さん原作コミックの映画化。 というか、どんな感じのコミックなのかちょっと興味はあります。 (ネットで「チラ見」をしてみたら、原作のセリフは殆ど映画と同じでした!!) 本作ほとん…
高度経済成長を支える男たち * * * * * * * * * * やっと見た、という感じですが、 本作は百田尚樹さん原作というところに引っかかってしまい、 でもやっぱり見ようと、意を決してみました。 そんなことにこだわる人、いないのかなあ・・・。 いえ…