2025-01-01から1年間の記事一覧
自粛生活の重圧もリボンで巻いて のんさんが監督、脚本、主演を務めた話題作です。 世界中がコロナ禍に突入した2020年。 学校は休講となり外出も自粛が求められています。美大生のいつか(のん)は、大学の卒業制作展が中止となり、やむなく1年かけて制作し…
少女でも少年でも、いいじゃん? ある夏休み。家族とともに新しい町に引っ越してきた10歳の少女ロール。 近所の女の子・リザや初めて出会った友人たちに、自ら「ミカエル」と名乗って、自分を男の子だと思わせてしまいます。 リザとは二人きりでも遊ぶように…
まだ記憶に新しい歴史 まだ記憶に新しい、新型コロナウイルスの集団発生の幕開けとなった豪華客船「ダイヤモンドプリンセス」号での実話を元に、未知のウイルスに最前線で立ち向かった医師、看護師たちの戦いを描きます。 2020年2月3日。 乗客、乗員3711名の…
気軽な青春ミステリ・・・ではなかった! * * * * * * * * * * * * 知人の老女がひったくりに遭う瞬間を目にした大学生の春風は、その場に居合わせた高校生の錬とともに咄嗟に犯人を追ったが、間一髪で取り逃がす。犯人の落とし物に心当たりがあ…
南三陸と東京の関係は? 楡周平さん同名小説を原作として、宮藤官九郎さん脚本で映画化したもの。菅田将暉さん出演作なのでぜひ見たかったのを、見逃していました。 新型コロナウイルスのパンデミックで、世界中がロックダウンや活動自粛に追い込まれた2020…
どんな理不尽な差別も受け入れるしかなかった ジム・クロウ法という人種差別的内容を含むアメリカ南部諸州の州法が存在した1960年代。フロリダ州、タラハシー。真面目で成績優秀のアフリカ系アメリカ人少年、エルウッド。ある時、ヒッチハイクで乗せてもらっ…
文字通りノンストップの緊迫 私このたび、とある推し活の必要性から、Netflixに加入いたしました・・・!(代わりに、WOWOWの方をやめました・・・) そこで、まず見たのが本作。1975年の映画「新幹線大爆破」を、現代版として新たに映画化したものです。 新…
頭脳戦のグリコじゃんけん!? * * * * * * * * * * * * ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説! 射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠…
父が守ることのできなかった約束 小説家ジェイク(ラッセル・クロウ)は、交通事故で同乗していた妻を亡くし、自身も長期の入院を余儀なくされます。彼が溺愛する7歳の娘ケイティは、ジェイクの入院中、妻の妹夫妻に預けられました。ジェイクは1年近くの入院…
超多忙のレストランで 本作の特色はなんといっても、全編約90分をワンショットで撮っているというところ。すなわち一発ぶっつけ本番。多少のことならやり直しなし。登場人物と共にカメラも移動するので、さぞかし縦横無尽の撮影風景が繰り広げられたことでし…
才能か、血か 吉沢亮さん×横浜流星さんという本作。ずっと楽しみにしていました。 任侠の家に生まれた喜久雄(吉沢亮)は15歳の時に父を亡くし、天涯孤独となります。喜久雄の女形について天性の才能を見出した上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎(渡辺謙)…
いよいよ本領発揮、女の熟年 * * * * * * * * * * * * 名手宅の祐筆(文書や記録を取り扱う職)を得て静かな余生を過ごしたいお麓(ろく)は、おはぎ長屋という長屋に住んでいた。 これで老後の安泰は約束されたと思い込んでいたが、その平穏な…
室井が築いた絆 先の「室井慎次 敗れざる者」の続きです。 退職し田舎暮らしをしている室井(柳葉敏郎)の家のそばで見つかった他殺死体。 かつての同僚で今は秋田県警本部長になっていた新城に頼まれ、室井は警視庁捜査一課の若手刑事・桜(松下洸平)と共…
のどかな田舎暮らしのはずだったが・・・ 大ヒットテレビドラマで、映画化もされた「踊る大捜査線」シリーズの続編。柳葉敏郎さん演じる人気キャラクター、室井慎次を主人公に据えて描く映画2部作の前編です。 現場の捜査員のために戦い続け、警察の組織改革…
師弟というよりも、父娘の関係か? 人気漫画家・東村アキコさんの自叙伝的作品「かくかくしかじか」を実写映画化したものです。 私は漫画好きではありますが、正直これまで東村アキコさんの作品を読んだことがありません。でも著作をみると「海月姫」とか「…
星先生の日常 * * * * * * * * * * * * ある女子校、2年4組担任・星先生。 生徒たちが学級日誌で繰り広げる絵しりとりに翻弄され、 教室で犬のお世話をし、漫画家志望の生徒にアドバイス。 時には同僚と飲みに行く…。 な~んてことない日常が、 …
痛みを癒してくれる、カバ? * * * * * * * * * * * * 新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの公園にある古びたカバの遊具・カバヒコには、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説が。アドヴァンス・ヒルの住人は…
おとり捜査・・・こんなのアリ? ニューオリンズ、大学で心理学と哲学を教えるゲイリー・ジョンソン(グレン・パウエル)。彼はその傍ら、警察に技術スタッフとして協力していました。 ところがある時、おとり捜査で殺し屋役となるはずの警官が職務停止とな…
過激で過酷な試練を乗り越えろ 前作「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」の続編ということで、PART TWOとなるべきところですが、そうではなくて「ファイナル・レコニング」になったのですね。 確かに、PART TWOとすると、前作見ていな…
体制に反旗を翻す少年たち * * * * * * * * * * * * 本屋大賞受賞作『同志少女よ、敵を撃て』 著者の第2作 1944年、ナチス体制下のドイツ。父を処刑されて居場所をなくした少年ヴェルナーは、体制に抵抗しヒトラー・ユーゲントに戦いを挑むエー…
いびつな母と娘の関係 湊かなえさん同名小説の映画化です。 母=ルミ子(戸田恵梨香)は、お嬢様育ち。彼女は母(大地真央)から、それこそ降り注ぐ愛情をたっぷり受けて育ちました。彼女に取っては母こそが人生の規範。母のように美しく正しく愛情深くなり…
犯罪者とその家族、そして家族を支援する人 金子真司(丸山隆平)は、一家で「差入屋」を営んでいます。差入屋というのは、刑務所や拘置所に収容された人への差入を代行するのです。差入を持って面会したくても、なかなか時間がとれない家族なども多いわけで…
何よりもこわいものは * * * * * * * * * * * * 美しい地獄へようこそ。世界が待ち望んだ短編集。 世界が一変してしまったあの春、私たちは見てはいけないものを覗きこんでしまったーー。持てる者と持たざる者をめぐる残酷なほんとう。死を前に…
果てしない図書の海の中で * * * * * * * * * * * * 街の小さな古本屋「十月堂」にて。ある日店主は、初めて店を訪れた客にこう問われた。 「読まなきゃ死ねないってぐらい、面白い本を教えて下さい」 ”オススメの本”――それは、すべての本好きが…
怒濤の一揆のシーンに息をのむ 私、垣根涼介さんの原作本が好きだったので、本作の公開時に見たいと思っていたのですが、見逃していました。 本作の主人公、大泉洋さん演じる蓮田兵衛は、日本の歴史の中で初めて武士階級で一揆を起こした人物として名前が残…
思ってたのと違って、すごくイイ! さしたる予備知識もなく、LGBT関連のマイノリティ擁護の作品かな?くらいの認識で見始めました。けれど、そうではなかった。 メキシコシティで弁護士として働くリタ(ゾーイ・サルダナ)。ある時、麻薬カルテルのボス、マ…
著者にとっての「庭」とは * * * * * * * * * * * * 私は夫と離婚をする。そのことを両親に報告せねばならない――。日常の不穏と不条理を浮き彫りにする15編。芥川賞受賞後初となる作品集、ついに文庫化! 実家へ向かう路線バスのなかで、老人たち…
箱の中で完成する人間 安部公房が1973年に発表した同名小説が原作です。 本作は、1997年に映画の制作が決定したものの、クランクイン直前に撮影が頓挫してしまい幻の企画となっていたとのこと。27年の時を超えて実現となったわけです。 さて、この…
「#真相をお話しします」の真相 結城真一郎さんの同名ミステリが原作です。 今をときめくMrs.GREEN APPLEの大森元貴さんとtimeleszの菊池風磨さん主演ということで、期待が高まります。 とあるビルの警備室。警備員・桐山(菊池風磨)とその友人・鈴木(大…
女3人の友情というのに嘘くささを感じてしまった * * * * * * * * * * * * 結婚五年目にして夫婦関係が冷えきってしまった麻矢、離婚を経験した璃子、モラハラ気質の夫に悩みながら一人娘を育てる友里香。三十代半ばになった大学の同級生三人組…