またまた事件に巻き込まれてしまう、石岡君

* * * * * * * * * * * * * * * * *
「本当に危険なんだよ石岡君。近寄ってはいけない」
龍神が出たという日本海の小さな入り江
そこで起きた想像を絶する事件と奥深い闇
伊根湾に「龍神」が出たという噂を受けて、石岡は伊根に赴こうとするが、御手洗はなぜか驚いて行かせまいとする。
「大怪我するよ」と。
その後の大事件と御手洗が伝えた「昏い真実」に震撼する。
* * * * * * * * * * * * * * * * *
島田荘司さんは、著者のデビュー作「占星術殺人事件」以来、私が敬愛してやまない作家さんです。
本作は、中でも一番好きな御手洗潔シリーズの最新作。
といっても刊行されてほとんど1年くらいになりますが。
折よくお正月に、図書館予約の順番が巡ってきた!
小説家石岡が、大学のネッシー研究会に所属する麗羅(レイラ)という女の子に強引に誘われて、京都の北、伊根への旅に出ます。
なんでも最近そこにネッシーのような巨大な水生の生物が出没するという。
ぜひそれを実際に見に行こうと、彼女は言うのです。
そのことを、石岡がスウェーデンにいる御手洗に話すと、御手洗に「危険だから絶対に行ってはいけない」と強く言われてしまう。
ところが、いつも巻き込まれ型の石岡のこと。
麗羅に引きずられるように伊根まで行くことになってしまい、大変な事件に巻き込まれることになるのです・・・。
伊根は、最近テレビなどでよく紹介される舟屋が湾に沿って立ち並ぶ、美しく独特な風景のあるところ。
しばらくは石岡と麗羅ののどかなロードムービーみたいになっています。
しかし伊根一帯はなぜか自衛隊が物々しい警備体制を整えており、不穏な雰囲気。
それでも二人は、朴訥な店主が営む、舟屋を利用した民宿にたどり着き、ほんのしばし、のどかな時を過ごすのですが・・・。
そもそも、ネッシーのような巨大生物など本当にいるのだろうか。
そうでなければいったい何なのか。
御手洗の警告の意味は・・・?
そして石岡が見てしまう、宿の店主の秘密とは・・・?
いつもの島田荘司らしく、次第に社会問題を含んだスケールの大きな事態になっていきます。
だから、島田荘司はやめられない。
石岡君・・・、やはり私はそう呼びたくなってしまいます。
確かこの人は団塊世代であったのでは?
とすれば現在はすでに後期高齢者に達しているはずですが、さすがに本作ではもう少し若いように感じられる。
やはり、ある時点から御手洗や石岡君の肉体年齢の老化が鈍化しているようです。
うらやましい・・・。
<図書館蔵書にて>
満足度★★★★☆